三重県の県史編さん班は、令和元年度が伊勢湾台風から60年、昭和東南海地震から75年の節目の年にあたることから、防災、減災の安全安心確保のため、三重県史の別冊「現代三重の災害」を緊急刊行した。鈴木英敬知事は「災害はいつ発生するか分からず、南海トラフ巨大地震などが想定される中、災害に強い三重づくりの一助にしてほしい」としている。
A5判、223ページ。三重県史の通史編・近現代2の別冊として発行した。戦後の三重の災害史を戦後復興期、高度成長期、安定成長期、平成期の4つに区分して構成。各部で風水害や地震、津波災害、火災、爆発事故、海難事故、伝染病、家畜伝染病などを項目に分けて記述している。
うち伊勢湾台風は約10ページにわたって記述。台風発生から通過まで、死者1233人、行方不明者48人を出した大災害を細かく著述した。巻頭の写真もすべて伊勢湾台風関連で、押し流された石油タンクや、倒壊した伊勢神宮内宮施設、中学校舎など12枚の生々しい写真を掲載した。
戦後すぐの昭和21年の南海地震や、列車事故、脱線事故、石油コンビナート火災、紀伊半島大水害なども詳しく記述。阪神・淡路大震災や東日本大震災での県内の対応なども記載している。
1500部を印刷。希望者には600円で配布する。三重県史は全29巻35冊を発行予定で、うち27巻33冊をこれまでに発行。残る2巻2冊を本年度末までに発行したいとしている。問い合わせは同班(059・224・2057)。
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